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医学部受験のための共通テスト分析2021・物理

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先日行われた共通テストについて、医学部受験生を対象に、問題をチェックしていきます。
今回は物理。全体の傾向として、やや難化しています。計算量は少ないのですが、考え方を問う問題が多くなっています。入射角と屈折後の全反射の関係など、不意を突かれた受験生も多いでしょう。
  
予備校や出版社などが出している共通テスト講評などは、一般の受験生を対象にしているので、医学部受験者の状況には合っていない事があります。たとえば問題の難易度については、予備校などの講評では「教科書に掲載されていない物質が題材となっている」「溶液の濃度の変化を考慮して計算をしなければならない」などという理由で、「難しい」とされることがあります。
しかし、私大や国立2次を照準において学習を進めている医学部受験生は、その程度の理由で共通テスト問題を難しいとは感じないでしょう。むしろ、難しいと思うのは、私大や国立2次と傾向が異なるようなタイプの問題が共通テストで出題されたときであるというのが実感なのではないかと思います。

第1問問2 時々出てくる、自分を持ち上げるつり合い。考え方を間違えてしまうと、堂々巡りになってしまいます。コツは、「複数物体を一体として考える」ことです。ところが、それが意外と難しい。釣り合いの式や運動方程式を立てるときに、物体ごとに分けて記述立式するように訓練しているのが普通の受験生なので、今回のように「一体として考える」のは、かえって難しいです。



もし各物体ごとに別々で考えるのなら、人が台から受ける垂直抗力をNとします。(これを単純に人の体重と同じと考えてはいけません。)人がヒモから引っ張られる力を上向きにFとすると(ヒモから受ける力は必ずヒモの方向。なぜならヒモは、引くことはできても押すことはできない)、人の力のつり合いはF+N=60g。また板の力のつり合いは、50g+10g+N=2F。これを連立させてF=40gを得ます。

第3問A Aは波動で、ダイヤモンドの全反射。Bは原子分野で、エネルギー準位。
計算は少ないのですが、考え方が難しいです。特に、図5は初見である医学部受験生も多いでしょう。



言おうとしていることは、ダイヤモンドの形および屈折率から、図形的に考えて、入射角iが与えられるとそれに対応するθACを出すことができ、同様にθBCも出すことができる。このθについて臨界角があるので、結果としてiと臨界角の間に一定の関係が成立する、というものです。
しかし光ファイバーなどの計算問題を機械的に解くように練習している受験生(私大医学部では多いでしょう)ですと、こういう問題に戸惑います。
これが共通テストの怖いところです。

第3問B Bはエネルギー準位の問題。
紫外線放出過程で、運動量と運動エネルギーが変化するかどうかが問われています。運動量は、外力がかかっていないから、変化しない。運動エネルギーは、別のエネルギーに変化したので、減少する。蛍光灯内の水銀原子であったとしても、これらのことは変わりません。
しかしこの問題では、運動量について2回問われています。「原子が励起しないときに運動量が変化するか?」「では原子が励起するとしたら運動量が変化するか?」「x方向は変化するか、y方向はどうか?」こうやって繰り返し聞かれて、スパッと、「いかなる現象が起きようが、どの方向であろうが、外力が作用していない以上、運動量は変化しないんだ」と言い切るためには、相当の自信が必要です。

それでは、対策です。
計算させる問題よりも、現象や性質を問う問題が多めです。これは昔のセンター試験の問題に似ています。共通テスト過去問(2つの日程で実施されています)、試行問題、そしてセンター過去問。そして予備校などが出している問題集(模試過去問パックやマーク式問題集)をたくさん解いていきます。たくさんの問題をパッと考えてみて、自分の考え方のクセを知るとよいでしょう。反作用を思いつきにくいとか、見慣れないグラフが出てきたら手が止まるとか。私大医学部の過去問も、単発小問で、共通テスト対策に使えるものが多くあります。そういう大学の過去問を、(志望順位にかかわらすに)取り組んでいくとよいでしょう。
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