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医学部受験のためのセンター試験分析2019・数学IA

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先日行われたセンター試験について、医学部受験生を対象に、問題をチェックしていきます。
今回は数学IAです。センター数学IAの特徴として、易しい問題と難しい問題の差が大きいですね。易しい問題を解くときのような感覚で難しい問題にあたると行き詰まりますし、逆だと、易しい問題を解くときに時間と神経を必要以上に使ってしまいます。そのあたりのメリハリをつけるのが、この科目のコツになります。
 
予備校や出版社などが出しているセンター試験講評などは、一般の受験生を対象にしているので、医学部受験者の状況には合っていない事があります。たとえば問題の難易度については、予備校などの講評では「教科書に掲載されていない物質が題材となっている」「溶液の濃度の変化を考慮して計算をしなければならない」などという理由で、「難しい」とされることがあります。
しかし、私大や国立2次を照準において学習を進めている医学部受験生は、その程度の理由でセンター試験問題を難しいとは感じないでしょう。むしろ、難しいと思うのは、私大や国立2次と傾向が異なるようなタイプの問題がセンターで出題されたときであるというのが実感なのではないかと思います。

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第3問。
n回目の結果によってn+1回目の状況が決まる問題。医学部受験者なら、漸化式の知識を使って解きたいところです。予備校は「やや難」と評価していますが、逆に、漸化式の問題として評価するならば、平易です。
「最初の色は青。青なら1秒後に3分の1の確率で赤になり、赤なら1秒後に2分の1の確率で青になる。5秒後の色が青になる確率は」というレベルの問題ですから、落とせません。
 
第4問。
こちらは、私大の問題として出題されたとしてもやや骨のある問題です。
不定方程式を解いている途中で突然出てくる「連続3整数の積がある自然数の倍数となる」という話題。結局、(4)を解くための布石として(1)~(3)があるのですが、その流れを試験時間内で見つけるのは難しいかもしれません。
ただ、もし小問相互の関連性が見つけられなかったとしても、各小問が単独で解ければいいわけですから、力づくで何とかしたいところです。特に(2)の「49の倍数である自然数Aと、23の倍数である自然数Bとの差の絶対値が2となるA・Bのうち、Aが最小になるもの」を素早く解きたいところです。その前の問題で「差の絶対値が1となる場合」については解いていますから、それを利用します。
 
第5問。
平面幾何の問題。センターIAの第5問の平面幾何ではsin、cosが登場しないというのが通例でしたが、今年は三角比を利用します。公式通りに計算すれば解けるので、こちらの方が受験生にとっては楽でしょう。
(1)内接円の半径は、まずsinを利用して三角形の面積を出し、内接円半径の公式に代入します。そして線分AD、DB,ECの長さを出して(簡単な連立方程式で出す。高校入試レベル)、余弦定理でDEの長さを出します。
(2)チェバの定理を使うと、BQ:QC=3:4となって、Qは円の接点に一致することになります。ここに気づかないと厳しいです。わかっていることを図に書き込むと明らかにチェバの形をしています。
最後は少し気づきにくいかもしれません。一例をあげると、正弦定理を利用して、求める角∠DFEが∠AEDと等しいことを利用します。そして、三角形AEDの3辺の長さがわかってるので、余弦定理に持ち込みます。
 
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目標点は、もちろん満点です。確率計算や整数問題では計算ミスが頻発するので、練習しておく必要があります。図形問題では定理法則に気づかないと先に進めないので、多くの図に触れておくことが大切です。問題練習では、自分で気づいたものでないとなかなか身につかないので、1回目に解くときはジックリ悩み、2回目に解くときは即答できるように練習する、というイメージで取り組むとよいでしょう。
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