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医学部受験のためのセンター試験分析2019・物理

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先日行われたセンター試験について、医学部受験生を対象に、問題をチェックしていきます。
今回は物理です。少し難しいと言われていますが、そのぶん素直な問題が多くなっています。試験範囲は広いですが、こういう試験の方が取り組みやすいのではないでしょうか。
 
予備校や出版社などが出しているセンター試験講評などは、一般の受験生を対象にしているので、医学部受験者の状況には合っていない事があります。たとえば問題の難易度については、予備校などの講評では「教科書に掲載されていない物質が題材となっている」「溶液の濃度の変化を考慮して計算をしなければならない」などという理由で、「難しい」とされることがあります。
しかし、私大や国立2次を照準において学習を進めている医学部受験生は、その程度の理由でセンター試験問題を難しいとは感じないでしょう。むしろ、難しいと思うのは、私大や国立2次と傾向が異なるようなタイプの問題がセンターで出題されたときであるというのが実感なのではないかと思います。
 
選択は熱と原子。波動が必答に戻りました。
第2問A。ダイオードの性質についてです。PNのつくりとキャリアについての平易な問題ですが、ダイオードが登場しない参考書問題集もあるので、盲点になるかもしれません。
医学部受験生であれば、問題B(電磁誘導と導体棒運動)のほうが典型的であるぶん、取り組みやすかったかもしれません。
センター試験対策の問題集(マーク式)ですと、ダイオードはパズル問題としても登場します。そういうものを勉強するときに、キャリア等についての基本知識を押さえておくとよいでしょう。

第3問A。屈折率の定義と経路差。予備校によっては「やや難」と評価されている問題ですが、ここは揺るぎなく正解すべきところです。sinθ:sinθ=V:V=n:n あたりは、確実に使いこなせるようにしたいところです。

第5問。選択問題。正方形PV図です。医学部受験生なら「瞬殺」で全問解けるべきところです。



PV図を見たらまず温度を書き込む(圧力と体積の積を、比の形で書く)。各過程で、温度が上がっていれば外部から熱を受取り、それは内部エネルギーとなる。仕事の総和はグラフ内部の面積。そして温度はA→B→C→Dで、1→2→6→3と変化している。
このあたりの流れを、問題を読みながら即座に見つけられるまで練習を重ねていきたいです。

第6問。原子の選択問題。X線スペクトル。これも医学部受験生なら素早く解きたいです。ですが原子分野は準備が手薄になりがちです。
しかも原子は、分野内部での流れのようなものが乏しく、各問題のつながりが弱い「ぶつ切り単元」の側面があります。これが理由で、原子分野は実際の分量以上に「内容が多い」と受験生に思わせているようです。
仕方がないので、原子分野は「薄く広くやっていこう」と割り切るしかないかもしれません。

センター試験が新課程に移行して4年ほどが経過しました。過去問も、本試験・追試験あわせると相当の分量となりました。まずは全問題を解くこと。正解したとしても、問題を解いている間に浮かんでしまった「邪念」なども含めて、全部チェックして反省していきたいものです。
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