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医学部受験のためのセンター試験分析2019・生物

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先日行われたセンター試験について、医学部受験生を対象に、問題をチェックしていきます。
今回は生物です。今年は、単純な知識問題が減り、図表を使う問題が増えました。知識問題の水準も平易なものが増えたので、思考問題での読み間違いや勘違いを減らすことが重要になってきます。
 
予備校や出版社などが出しているセンター試験講評などは、一般の受験生を対象にしているので、医学部受験者の状況には合っていない事があります。たとえば問題の難易度については、予備校などの講評では「教科書に掲載されていない物質が題材となっている」「溶液の濃度の変化を考慮して計算をしなければならない」などという理由で、「難しい」とされることがあります。
しかし、私大や国立2次を照準において学習を進めている医学部受験生は、その程度の理由でセンター試験問題を難しいとは感じないでしょう。むしろ、難しいと思うのは、私大や国立2次と傾向が異なるようなタイプの問題がセンターで出題されたときであるというのが実感なのではないかと思います。
 
第2問A。X染色体の不活性化(三毛ネコ)です。知っていればすぐ解けますが、知らなくても推論で解けます。問題文にある「ランダムな不活性化」という言葉から、クローンでもまだら模様の形状が異なる、という推論です。
ただ多くの問題集では、ライオニゼーションについて扱われています。なかには、「雄三毛ネコ(XXY)がまれに生まれて珍重される」ことが紹介されている書籍もあります。
本問のレベルの知識であれば、押さえていてほしいところです。特に、推測の力にあまり自信がない受験生であれば、知識量でカバーしたいです。

第3問B。東進は「難しく、大きく得点差がついたであろう。」と評価しています。文章が長めで図が多いパターンです。解答時間に余裕がないセンター試験で出題されると、キツいかもしれません。



ただ、言いたいことが明らかなため、推測問題としては易しめです。図8から「地上部が変異体である場合には、遺伝子Yは発現しない。」ということを読み取り、問題文の「窒素源不足の情報を【 】でつくられるタンパク質Xに伝達する」の【 】に「地上部」と答える、という流れです。
センター生物の推論は素直であることが多いです。過去問を解くことで、その素直さを実感しておくとよいでしょう。

第5問A。進化・系統の分野でやや細かい知識が出るのがセンターの特徴で、これが一部私大医学部の傾向と異なるので、注意が必要です。
問1は生物分類の階級。「界門綱目科属種」と繰り返し唱えて覚えます。
問2はドメインによる生物分類。細菌・真核生物・古細菌。このうち、細菌が最初に分化したことに注意。つまり古細菌は、細菌よりも真核生物に(系統上は)近いです。
問3は、ドメイン内部の分類。点線のつながり方などを加味して検討します。問2を間違えると問3も正解できないのが厳しいかもしれません。
また、古細菌の例といえばメタン菌。このあたりは自分で5界系統樹を書きながら覚えていきます。

第6問問2。遺伝情報の発現。選択問題です。今年の選択問題は第7問が種間関係なので、第6問を選んだ医学部受験生が多かったかもしれません。塩基配列の思考問題は解き慣れているでしょう。このような頻出問題は即答できるようにしておきたいところです。
 
対策としては、まずは基本的な知識をていねいに押さえることです。
センター試験レベルの知識は落とさないこと。推論問題も、センター試験の雰囲気を掴んでおくことが必要です(でないと、不必要な深読みなどをしたりします)。
センター試験が新課程に移行して4年ほどが経過しました。過去問も、本試験・追試験あわせると相当の分量となりました。まずは全問題を解くこと。正解したとしても、問題を解いている間に浮かんでしまった「邪念」なども含めて、全部チェックして反省していきたいものです。
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