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過去問対策・順天堂大医学部物理2021

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私大医学部の過去問を見ていきます。
今回は、2021年順天堂大学の物理です。
理科2科目120分200点(全科目合計500点)。大問2コ([I]と[II])、[II]のみ記述問題。
大問1はマークで、総合的小問集合とテーマ別問題。大問2は、珍しく今年は熱力学から出題されました。
全体的に、易しくはないのですが、オーソドックスに解き進めていけば正解にたどり着ける良質な問題です。地味な問題が多いですが。

大問[I]・第2問。2物体運動と単振動。力学の典型パターンなので取りたいところですが、差がつく問題です。この第2問(全部で5問)を完答できれば、力学の実力は相当だと思います。
θ=0を代入すると横方向に力が生まれずバネが動かないことなども、検算で確認する(これで選択肢がかなり絞れます)のを忘れないようにしたいところです。この手の問題では、必須のテクニックです。
特に、問4と問5の2問は、同じ問題でいいので何度も練習して、解法を体に入れておきたいです。今年の順天堂物理の最大のヤマ場だと思います。

大問[I]・第3問
RLC回路。交流が6問バーンと出ているので尻込みするかもしれませんが、よく読むと、問題は標準的です。一気に全問進めていきたいところです。



(赤本より掲載)


前半部で間違えてしまうと後ろの問題も間違えてしまうので、要注意です。普段の練習で、答えの式の形に見覚えがあるようにしておきたいです。
コイルやコンデンサーの性質、電気振動をしっかり押さえていきます。問5では回路の平均消費電力を答えますが、コイルとコンデンサーの平均消費電力はゼロなので、すみやかに抵抗器の電力を求めれば大丈夫です。

大問[II]。気体分子運動。
計算量がやや多いのですが、問6までのうち、問5まではいきたいところです。
特に、問2が解けると問4までは一直線に進められますし、問5は、完全弾性衝突ですのでエネルギーは保存されて、仕事の分だけ運動エネルギーが大きくなる結果になるので、差はゼロだというのがすぐわかります。

それでは対策です。
今回見た2物体単振動、RLC交流回路、気体分子運動いずれでも、奇をてらって早解きできることをウリにしている参考書(「こう解けば一発だね」とか書いている本)よりも、正面から立式して計算を進める参考書のほうが、こういう問題を解くための力はつきます。RLC回路では、直列並列それぞれの場合で電流やエネルギーを丁寧に導出しているような参考書です。
そういう本は無味乾燥でとっつきにくいので、初学者は敬遠するのですが、入試レベルの力をつけるという点では、非常に役に立ちます。参考書として、河合塾の物理教室をあげておきます。
結論部分を目で確認するだけではなく、導出説明の部分は自分で丁寧に立式・計算をなぞって、定着させていくとよいでしょう。
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