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過去問対策・帝京大医学部化学2021

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私大医学部の過去問を見ていきます。
今回は、2021年帝京大学の化学1日目。
 
2科目120分。単純計算すると化学60分です。配点は100点(全科目合計300点)。大問4コ。
文章が長いうえにテーマも見慣れないものがあるので、厳しいです。

〔2〕 C10Oの構造決定。全問正解したい大問です。
問1は元素分析。元素分析の組成式決定では四捨五入することがありますが、この四捨五入は基準がないので要注意です。元素分析から始まる構造決定問題では、最初の組成式決定を間違えるとその後の考察を全部間違えることになります。
そしてC10Oは、アルコール4種エーテル3種をすぐに言える(級、ヨードホルム反応、不斉炭素原子)ようにしておく必要があります。
とにかく構造決定問題では、最初の段階で失敗してしまうとその後が正解できないので、覚えるべきものは覚えて正確に進めるようにすることが必要です。

〔3〕 電子軌道(オービタル)と電子配置。計算問題は与えられた公式に数値代入すれば大丈夫ですし、問題文から推測すれば正誤問題も解けるようにはなっています。
ただ、リュードベリの式を「化学の問題」として取り組んだことがある受験生はほぼいないでしょう。少なくとも、医学部受験勉強としては手を付けていないと思います。じっくり考えれば問題文からの推測も可能ですが、試験時間を考慮すると試験中の熟考の余裕はなく、「よくわからないことが書いているがたぶん数字を代入すればいいのだろ」くらいに思い切って答えるような感じでしょう。




(赤本より掲載)

図3の矢印の本数が原子番号に対応すること、そして「どうやらK殻L殻・・・のことをより詳しく言っているんだな」程度の推理ができること。そのあたりがつかめれば十分です。
個人的には、電子軌道の話は、1回は頭の中をくぐらせたいところですが(「聞いたこともない話だ」という状態は避けたい)、しかし知識としていつでも取り出せる状態にしておく必要はないと思います。
なお、2日目の問題では大問でFischer投影式が登場していました。これも、問題文を読んでその場で推測するという感じです。

〔4〕 小問集合。これは全問正解したいです。
「すべて選べ」形式の問題や、計算問題も含まれていますが、判断に迷う微妙なものがないので、即答できるはずです。即答できないのであれば知識不足です。
高分子知識まとめノートを作って(あるいは市販のものをしっかり覚えて)、化合物名と単量体物質と重合方法を押さえていきます。

対策です。
易しい問題の中に、題意が取りにくい難問が含まれています。
数学と違って化学は、問題文を見ればすぐ難問だとわかります。また物理と違って、手が出ないというタイプの難問ではありません。
手が出ないタイプの難問が化学で出題されるような大学もありますが、帝京の場合は、むしろ「いきなり新しいゲームのルールが示されて、勝つことを要求される」という感じです。言おうとしていることをすぐに理解して、出題者が作っている流れに乗る。
そして標準問題は必ず取ることです。これが私大中堅医学部の正攻法です。解ける問題を、より早く正確に解くために練習すること。特に直前期の勉強では意識しておきたいところです。序盤の勉強法は、苦手分野をひとつずつつぶしていくイメージですが、直前期の勉強は、中途半端な単元をひとつずつ仕上げていくイメージです。
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