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過去問対策・帝京大医学部生物2021

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私大医学部の過去問を見ていきます。
今回は、2021年帝京大学の生物1日目。
 
2科目120分。単純計算すると生物60分です。配点は100点(全科目合計300点)。2021年は大問3問(その前までは大問4問)。
語句をひらがなで答えさせる問題や、30字程度で説明させる問題もあります。化学や物理と同じく、解ける問題と解けない問題の差が大きいので、解ける問題を確実に仕留めるというスタンスが必要です。

〔2〕 血液の流れと腎臓。穴埋め語句選択問題も含めて、キッチリ正解したいです。難しく見える問題もありますが、考えれば解けるようになっています。

問8 腎臓のうち、血流が止まることで最も障害が起きやすい(移植の際に問題となる)と考えられる部分はどこか選べ。正解は細尿管です。
これだけだとかなり厳しい知識問題となりますが、問題文中に「能動輸送などの代謝が盛んな部分でエネルギーが不足」すると書いています。腎臓で能動輸送といえば、再吸収。ですので細尿管を選びます。
問9 実際の腎臓の働きにはある仕組みで、透析療法にはないものを選べ。正解はグルコースなどの能動的な再吸収。
これも厳しい問題ですが、透析では再吸収(能動輸送)が行われていないので、グルコースの再吸収が正解になります。グルコースは透析液から補うことになります。
このあたりの問題は少し考えて解く必要がありますが、ほかの多くの問題は、即答できます。そういう即答すべき問題は素早く処理して、考える問題に充てる時間を作り出しておきたいです。

〔3〕 DNA鎖・RNA鎖の問題。塩基配列に関する標準的な問題から始まっていますが、ちょっと題意がつかみにくいものもあります。


(赤本より掲載)

図1はコロナウイルスのRNA鎖の一部。Sタンパク質(「宿主の細胞への結合に必要な」ですから、スパイクのSですね)の遺伝子です。株1のうち一つだけ塩基配列が置換されたのが株2(なお、これをD614G変異といい、日本でも感染が広がったものです)です。
問6は、株1の相補鎖(AとT・U、GとCを入れ替える)を作って5'と3'を入れ替えると正解になります。この問6までが正解できれば十分です。


(赤本より掲載)

問7は問題文が長く少し題意がつかみにくいので、時間も足りなくなるかもしれません。要するに、株1と株2の区別をしたい。株1にはつくが株2にはつかないようなプライマーがあれば、この区別がつく。株1と株2の違いは、614番目の真ん中のAとG(このGは問題文の暗号表から推測します)の違い。ということは、問6の相補鎖のさらに相補(つまり問1と同じもの)を作ればよい、その範囲は、最後10番目が614の真ん中に来るような範囲。
という流れですが、問題文から短時間でこれをくみ取るのは困難かもしれません。
問8はさらに困難です。赤本の解説でも、問題文の「90%低下」につき「これをどう解釈するのかが大変難しい」として、一つの計算パターンを仮定して解答を出しています。
これはちょっと厳しい問題です。しかし株1のほうについては、単純に、1サイクルで2倍になる反応を5サイクル行ったので2の5乗で32倍で大丈夫です。部分点をもらえる可能性があるので、こういうところは点を取っていきましょう

対策です。
まずは、取れる問題を全部取ることです。ところが、実はこれが意外と難しいです。というのも、過去問を解いて解けなかったときに、これが解ける必要がないレベルなのか実力不足で解けなかったのかは、ある程度の実力がないとわかりません。そうなってしまうと、解けなかった問題を全部解こうとしてしまうことになってしまいます。
というわけで、まず基本的な問題集(教科書準拠レベル)を、図を暗記するくらいまで定着させて、それで過去問に進むといいでしょう。すると、基本的なことを聞いてる問題が多いことに気づきます。
ただ入試問題は、同じ問題でも一ひねり加えてきます。過去問演習では、その一ひねりをトレーニングする感じです。
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