Quest クエスト 医学部受験メモ

クエスト 東京・新宿の医学部・東大専門予備校

過去問対策・東京女子医大化学2021

[ Top ]
私大医学部の過去問を見ていきます。
今回は、2021年東京女子医大の化学。

2科目120分。単純計算すると化学60分です。配点は100点(全科目合計400点)。大問4問。難易度としてはそれほど難しくはないのですが、しかし問題の分量が多いので、要注意です。

問題I 小問集合。女子医の小問集合は程よいレベルなので、「私大医学部の小問集合の練習」としても良問です。男子受験生も解いてみるといいでしょう。赤本を借りたり買うのはためらわれるでしょうが。

問5の4「鉛は、常温で希塩酸に溶けやすい。」× 鉛と塩酸の反応では塩化鉛が生成する。塩化鉛は熱湯には溶解するが常温の水には溶解しない。
と書くと、たいしたことなく易しく思えますが、この手の問題は、イオン化傾向を考えると間違えてしまいます。例えばこの問題を少し書き換えて、「亜鉛、鉄、鉛、銅のうち、希塩酸と反応するものは?」と聞かれると、「銅はイオン化傾向が水素よりも小さいから反応しない」→「ということはイオン化傾向が水素よりも大きいものは反応する」と思って間違えます。

問14「サリチル酸と安息香酸の酸の強さの比較」 どちらもカルボン酸ですから、酸の強さは変わらないように思えます。ギ酸と酢酸のように、シンプルな構造の方が酸が強いのか。あるいはサリチル酸のほうがフェノール構造もついているぶんだけ、酸の強さが加算されるのか。などと考えても答えは出ないでしょう。
サリチル酸は鎮痛薬として用いられたけれども酸性が強いので胃を荒らす、という説明は聞いたことがあると思います。そのときに、「カルボン酸はそんなに酸性が強いのか?食用酢もカルボン酸だが、酢を飲んで胃が荒れるなんて聞いたことがないぞ」という疑問を持ったかもしれません。
実はサリチル酸は、フェノール構造部分の水素原子と、電離したカルボキシル基とで水素結合をすることで安定する(赤本の解説にもあります)ので、かなり酸が強いです。ですので、フェノール構造部分をアセチル化させることで飲み薬として使えることになり、それがアセチルサリチル酸である、という流れにつながります。

問題IV 有機構造決定。女子医大に限らず、多くの私大医学部で頻出の問題です。標準的な問題は素早く定型的に処理できるまで、訓練が必要です。


(赤本より掲載)

最初の元素分析は、ここを間違えるとその後すべて間違えてしまうので、確実に行いたいところです。四捨五入して適切な整数比にするのが難しいですが、この問題ではきれいな整数比になってくれます。ありがたいです。
問題の物質は、C24O または C482という簡単な形で、前者であればホルムアルデヒドがすぐに疑えますし、後者であればエステルまたはカルボン酸が候補に挙がります。
構造決定の問題としては容易なのですが、慣れが大きく物を言います。普段の問題練習の姿勢が大切です。なんとなく解いて、解答の正解を答案ノートに書き写して終わり、という勉強方法(多くの人がこれです)では、何度解いても問題を覚えるだけで力が付きません。答案をしっかりチェックして、自分の答案のクセを浮き彫りにしていく、言い換えると、毎回丁寧な反省会を行うようにしないといけません。

対策です。
まず、問題量が多いです。普通に解いていると時間が足りなくなってしまいます。その一方で、高級な化学法則や特殊な解法を知っている必要はありません。むしろ余計な知識は、素直な思考を妨げます。
標準的な問題集を2種類用意して、「この問題を素早く正解するには、何を覚えればいいのか、どういう解法を使えばいいのか」を分析しながら解いていきます。そうすると、「その場の思いつきで文字を置いてしまって後の式変形に苦しむ」ようなことは徐々に減っていくはずです。
この大学は、標準問題を正確に処理できることを強く要求しています(現役生を欲しがっているんでしょうね)。普通のことを素早く処理、ということを心掛けるとよいでしょう。
[ Top ]

クエスト 東京・新宿の医学部・東大専門予備校