物理対策1:問題形式に慣れること! 見慣れない装置は見慣れた装置に置き換える! 会話形式の問題では、結局、典型問題を会話形式に言い換えただけの問題なので、それほど難しくはありません(出題者の感覚もそうでしょう)。
ところが受験生の様子を見てみると、かなり読み違えをしてしまっています。原因としては、単なるうっかりミスもあるのですが、それなりに筋が通っている(だが、当該問題には適さない)読み方をしてしまうこともあります。
この原因は、典型問題の定着度が弱いことにあります。
出題者が念頭に置いている現象や装置(これが典型問題)があって、それを日常の現象や物体に置き換えて出題しています。だから受験生は、それを典型問題に再変換すればいいのです。そのためには、典型問題はストーリーごと覚えることです。
物理対策2:全範囲をまんべんなく押さえること現役生にとっては交流電流やモル比熱、原子といった「教科書の後ろに載っている単元」は、練習不足になりがちです。特に今年はコロナ禍による学校授業進度の遅れにより、さらに練習不足になっている可能性があります。
医学部受験生の物理選択者といえども、漠然と苦手を感じる単元はいくつか抱えていると思います。標準問題を何度も解いて、「コイル」「ポアソン」「光子」などに慣れていきたいところです。
物理対策3:時間配分は普段の勉強でも意識すること センター物理の特徴の一つとして、長時間考えてしまうような問題が多い、ということがあります。
特に力学では、運動方程式やエネルギー保存則など、「立てようとしてしまう」式が多く、見当違いな立式をして時間を費やしてしまうことが多いです。他の分野と違って力学では、
図をみて正しい式がすぐ思いつくわけではないことがあります。例えば、振り子の図からエネルギー保存則も思いつくし、単振り子の単振動式も思いつきます。そのなかで、どの式を使うべきか。
解答に役立つ適切な式をその場で思いつく。これがなかなか難しいです。普段の勉強で、問題集の解答の式が自分の答えと異なっていても「ふーんそうなのか」で終わってしまうと、なぜ自分の答えが違っているかという分析が足りないため、力がつきません。
問題形式 試行テストは大問4問。
センター試験の理科では存在していた「選択問題」は、共通テストにはありません。原子物理からは逃げられません。
セレクト 物理この1問
平成30年第4問A。楽器に詳しい医学部受験生は多いけれど、管弦楽器はともかく、エレキギターとなるとなじみがないかもしれません。弦の振動をコイルの電磁誘導で拾います。身近な電磁誘導といえばスイカ(交通系IC)が思いつくでしょう。非接触でどうやって情報や電力を送るか。それは、電磁誘導です。
こうやって
実際の物を使って話を広げるのは、共通テストが好むネタです。その「実際の物」が、自分に身近かどうかは、わかりません。